↑ 胴体後部には2門の大口径砲。左手はスウェーデンのボフォース社が開発した40mm砲。元々対空機関砲として1930年代から使われている歴史ある機関砲の末裔で、日本も自衛隊が艦載砲として使っていた。アメリカはAC-130Aの時代からこの砲を搭載し始めた。左手は105mm榴弾砲(アメリカではカノン砲と呼ぶ)で戦車砲級レベルの武器である。榴弾とは着弾以前もしくは着弾時に鉄の破片を炸薬で撒き散らして、敵に損害を与える弾で、人間やソフトスキンに対して極めて有効。
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1995年初期に生産されたAC-130Aの退役に伴い、第三世代のAC-130と呼ばれた当時最新鋭のAC-130Uの配備が始まった。この”スプーキーⅡ”と呼ばれたAC-130Uには25mmガトリング砲や40mm機関砲、そして胴体最後部に戦車砲級の口径を持つ105mm砲を搭載したガンシップである。輸送機に74式戦車と87式偵察警戒車、89式装甲戦闘車を1台ずつ載せた火力に匹敵する。火力は前ページでもご紹介したAC-130Hと比較して、20mmX2が 25mmX1に変わった程度であるが、目標を複数同時に捉えて攻撃が可能と言うシステムが大きく進歩した所である。また当然の事ではあるが、航法装置などが格段に進歩したものに交換されている。尚、初代のスプーキーは、ベトナム戦争時のAC-47に付けられたニックネームで、これの二代目と言う意味である。
(2000)
↑ スプークⅡのノーズアート(と言うよりはインシグニア)は何種類か存在するが、この絵柄が新しく奇抜な印象を持った。2000年3月18日に日本の横田基地にもこのマークを付けたAC-130U/90-0163が飛来している。
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↑ 毎回の事ながら、展示機の右側面に光が回っている時、この機体の特徴は殆ど輸送機にしか見えないが、左側面に目を向ければ戦闘車両3台分の火力を積んでいる。フロリダの基地からオシアナに飛来したAC-130U/91-0167 "Spooky Ⅱ"。
↑ 乗員乗降口の右手に突き出ているのが、5砲身のGAU-12イコライザー機関砲。A-10ホッグの30mmアベンジャー砲を小型軽量化した25mm機関砲で、アベンジャーより口径を小さくして、小型化したことで速射性能が良くなったらしく、恐らく携行できる弾数も多いので、利便性があるのだろう。毎分最大4200発の発射速度でハリアーⅡ戦闘機も胴体下に搭載していた。AC-130H型の20mm2門より、これ1門の方が威力があるようだ。
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